パソコン作業、ロボットが代行 介護業界にRPA提案 楽産

2023年10月20日

人手不足が深刻な中、介護業界でのICT導入は喫緊の課題となっている。そこで近年注目を集めているのがRPA(Robotic Process Automation)だ。RPAが主力業務の楽産(大阪市)では、現在顧客の3割以上が介護・医療事業者だという。介護・医療業界でのRPA導入の現状やメリットなどについて聞いた。

 

 

シフトの作成やレセプトに便利

 

RPAとは、ロボットでパソコン上の手作業を自動化するシステム。パソコンのマウスとキーボード操作をロボットに覚えさせることで、人に代わって24時間365日パソコン作業を自動で行ってくれる。例えば「毎日、A、B、Cそれぞれの表にある特定の項目だけを表Dに移し、売上集計表を作成する」といったルーチン作業に便利だ。パソコンにインストールするだけで利用可能。
 

「介護・医療事業者の場合には、勤務シフトの作成やレセプト関係のほか、バイタル記録のとりまとめ、本社への日報作成などに活用しているケースが多く見られます」と同社営業部の小永吉奏人氏は語る。「当社の場合は1ヵ月単位の利用契約制度ですので『決算前の数ヵ月間だけ利用したい』といった使い方もできます」

 

 

導入者の7割 職員100人以下 機器購入などの手間がかからず

 

現在、同社のRPAを利用している介護・医療事業者の7割以上がスタッフ100名以下の小規模法人だという。
 

「スタッフが手元のスマートフォンやタブレットに入力した利用者のバイタルデータなどをパソコンに転送するだけで自動的に書類が作成できますので、パソコンは1台あれば済みます。新たな機器の購入が不要な点などが中小企業にとっては大きなメリットといえるでしょう」
現在、市販されているRPAは100以上。この中には中小企業向けに開発されたものなどもあり、自社の現状やニーズに見合った商品選択が重要になる。

 

なお、楽産の場合は、導入に際してIT導入補助金の活用が可能だという。「この提案を行っているのは、おそらく全国でも当社だけではないでしょうか」

 

導入コストは同社の場合で、初期費用ゼロ・月額4 万円(税別)。なお、導入先の業務に合わせたオリジナルのロボットを新たに作成する場合には月12万円(同)となっている。

 

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