2025年5月28日号  1面 掲載

【コラム】介より始めよ

2025年5月28日

港には蒸気船、丘には蒸気機関車が行き交う、交通の新時代を迎えた頃の横浜で、中華料理店「聘珍樓」が開店した。中華料理は新しい物好きの日本人の心をがっちりつかんだようで、昭和初期には横浜名物の1つに数えられるほど大発展を遂げる。

 

その流れを汲んだ株式会社「聘珍樓」は521日、破産手続きに入ったことを明らかにした。コロナ融資の返済、食材費高騰や人件費上昇などが理由だという。震災や戦禍を乗り越えて140年続いた横浜の老舗ブランドも、これらの荒波を乗り越えることはできなかったということか。そもそも、老舗ブランドであるが故に、人気の高いカジュアルスタイルの中華へ対応できなかったことが要因という見方もある。

 

厳しい経営環境を乗り越えて老舗の看板を守り続けるためには、潮流を見極め、絶えず変化していくことが、やはり重要なのだろう。

 

 

 

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