2025年7月23日号 終面 掲載
施設展開、精緻なデータで 8月更新「福祉施設・高齢者住宅DB」
高齢者住宅新聞は8月初旬を目途に、全国の高齢者施設情報を網羅した「福祉施設・高齢者住宅data base(Excel版)」の最新版を発売する(調査・制作:TRデータテクノロジー)。これに合わせ、同データベースをWEB上で手軽に集計・分析が可能な「BIツール」の内容も更新し提供を開始する。大手中堅介護事業者や周辺メーカーなどが、新規出店マーケティングや競合分析に活用している。
「福祉施設・高齢者住宅data base」は半期ごとに更新される。収納されている施設種別は、①特別養護老人ホーム、②介護老人保健施設、③介護医療院、④高齢者グループホーム、⑤介護付有料老人ホーム、⑥住宅型有料老人ホーム、⑦ケアハウス、⑧サービス付き高齢者向け住宅の8類型。前期(半期更新)分の掲載物件数は5万8404件。
データ項目としては施設名・運営会社名・住所・定員数などの基礎情報を始め、開業・竣工年月日、居室面積、入居者平均年齢・平均介護度などがある。科学的介護推進体制加算、看取り介護加算など主な加算取得状況も掲載。
さらに、介護付・住宅有料老人ホーム、サ高住においては家賃・管理費・共益費・水光熱費・食費などの月額費もそれぞれ項目別に把握できるため、新規・既存物件ともに価格設定の材料として活用されている。
データは基礎情報がセットになったプランに、必要なオプションを選択して購入できる。エリアは全国一括のほか、「北海道・東北」「関東」「北陸・中部」「関西」「中四国」「九州・沖縄」がある。例えば、「中四国」エリアの基本データセットであれば5万円となっている。都道府県別に購入可能な「マーケティングデータセット」は10万円から。
また、在宅系サービス事業所を網羅した「介護保険居宅サービスData Base」は年に1度の更新。
収納種別は、①居宅介護支援、②通所介護、③地域密着型通所介護、④訪問介護、⑤訪問看護、⑥認知症対応型通所介護、⑦夜間対応型訪問介護、⑧通所リハビリテーション、⑨訪問入浴、⑩小規模多機能型居宅介護、⑪訪問リハビリテーション、⑫看護小規模多機能型居宅介護、⑬定期巡回・随時対応型訪問介護看護、⑭短期入所生活介護、⑮福祉用具貸与、⑯短期入所療養介護の16サービス。掲載事業所は全国約18万件。
こちらも全国一括とエリア別、また「居宅介護支援」「通所介護」「訪問介護」のみサービス別で購入可能となっている。
自治体の高齢化率供給率を一発表示
ある中堅介護会社の経営者は「有料老人ホームなどの新規開設は建築費が上がり過ぎて検討していない。M&Aで規模拡大を目指す以外にない」という理由から、WEB上でエリアマーケティングが手軽にできる「BIツール」を昨年から利用している。
3種類あるBIツールの中で、最もベーシックな「マーケットアナライズBI」は、福祉施設・高齢者住宅data baseの8類型の全国データを収納。各施設の詳細情報のほか、地図上で自治体別の立地状況が視覚的に把握できる点も魅力だ。各自治体における施設供給率や年次推移、運営事業者ランキングなども簡単に表示できる。調査対象地域おける施設別定員割合も円グラフで表示され、その地域にどの施設種別が多いのかも一目瞭然だ。
また、自治体別の人口、高齢者人口、要介護者数、人口予測、施設供給率など自治体における要介護高齢者の受け入れ能力もわかることから、高齢者施設マーケティング初心者にも扱いやすい。このほか、病院・在支診や在宅介護サービスの供給率などを付加した「マーケットアナライズBI for地域包括ケアシステム」、有料老人ホーム(介護付・住宅型)・サ高住に特化し、より詳細情報を加えた「サービスアナライズBI」がある。
BIツールの年間利用料は「マーケットアナライズBI」が8万8000円(一月あたり約7333円)から。
詳細は「福祉施設・高齢者住宅data base」の製品サイトより。