2025年10月8日号 1面 掲載
【コラム】介より始めよ
2025年10月8日
介護施設における高齢者への虐待や訪問時の窃盗といった事件が多く報道されている。人材不足の中、慎重に採用活動を行いたくとも難しいのが現状だ。もとより介護に限らず、入口で「犯罪を起こしそうな人」を見抜くことは難しい。
生産性向上の観点から居室にカメラを設置するケースも増えているが、その普及には賛否両論があった。しかし、利用者への見守りという側面だけでなく、職員への不適切な行動の抑止力になる側面も多分にあるのではないか。「誰も見ていない」「(認知症などで)本人もわからないだろう」という浅はかな考えが、カッとなった人間の裏の顔を呼び覚ましてしまう。
生産性向上などにより、そもそもカッとなるような余裕のない状況を生まない工夫と、待遇改善や地位向上による専門職としての意識改善、教育・研修の徹底で解決できるか。事業者ごとの方針はさまざまだ。
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