2025年12月3日号  1面 掲載

【コラム】介より始めよ

2025年12月3日

10月から最低賃金の引き上げが始まった。最低賃金は5年連続で過去最高の引き上げ率となっており、今年度の全国加重平均の上昇額は63円に上る。

 

公定価格である介護報酬に依存する介護保険事業では、賃上げに必要な資金の捻出が難しい。最低賃金がこのペースで上がり続けると、介護事業の収支構造は、これまでの延長線上では成り立ちにくくなる。

 

こうした中で政府は、介護職などの賃金を2026年から月1万円引き上げる方針を打ち出した。「最低賃金の上昇で苦しいけれど、26年からは介護報酬で手当てされる」という救済策に見える。しかし経営の視点で見ると、①手当開始までのタイムラグをどう乗り切るか②「月1万円アップ」はどこまで効果があるのか、という課題がある。「発表された金額=自事業所で必ず全員に行き渡る金額」ではないことを周知しておくことが重要だ。

 

 

 

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