日本介護システム(大阪市)大友俊雄社長

2014年5月7日

日本介護システム(大阪市)は高齢者向けの訪問理美容や生活支援などの事業を都市部で展開。訪問理美容では施設の入居者や自宅の高齢者にサービスを提供している。同社の保険外サービスの戦略をレポートする。

 

訪問理美容サービスの名称は「髪人(かみびと)」。首都圏、関西圏を中心に名古屋、静岡、福岡など約600ヵ所の高齢者施設に訪問。理美容サービスを提供する。利用者は1施設あたり10名前後。7日前までに予約をもらい、訪問スケジュールを組む。サービス提供時間は一人あたり15~20分ほど。理美容師一人が1日8~10人ほどのカットを担当する。

 

利用者のほとんどは「寝たきりで理美容院に行けない」「近くに理美容院がない」「家族の付き添いが難しい」などの問題を抱えている。

 

施設からの相談後、料金を見積もり訪問開始。施設に理美容室がない場合は、空いている1室を使い、サービス提供。心地よい空間を作るため、アロマも使用する。

 

サービスはカット・顔の産毛剃り・眉の整え・化粧(眉・口紅)などがセットになった「スマイルカット」が中心。料金は施設で2100円、自宅で3600円。その他、カットのみやカット&カラー、カット&パーマ、シャンプー&ブローなどのメニューを用意。フェイスパックや栄養補給付きトリートメントなどのサービスも開始した。

 

同社では広範囲の訪問に対応するため、美容室を組織化。現在21店とフランチャイズ契約を締結している。訪問理美容師数は東京と大阪の直営店で約30名。FCによる訪問理美容師と合わせ、約100名のスタッフが対応している。

 

現在年間の延べ利用者は約10万人。施設の入居者が約8割を占める。サービス提供後に本人の写真を撮りプレゼントする。

 

「髪を切るというだけではなく、利用者に楽しみを提供するレクリエーションのひとつとして捉えている」(大友社長)。

 

2016年までに全国対応を図っていくため、直営・FC含め300店、スタッフ数800~1000名の体制とする計画。

 

同社では訪問理美容師養成スクールも実施。教本を使用した講義と現場同行による実習で訪問理美容師を養成する。

 

高齢者向けの家事支援サービス「家事処」は、同社のスタッフが掃除、片付け、留守宅の管理、衣替え、電球交換、買い物代行、外出の付き添いなどに対応。現在大阪と京都のみで展開。延べ利用者で毎月1000名以上にサービスを提供している。

 

サービス終了後、報告書を写真付きのEメールで家族などの依頼者へ送る。スタッフは提携会社を含め11名。資格は問わず、同社の規定で雇用する。利用料金は20分800円~(交通費は別途)。定額プランでは月額6000円、8000円の2種類を選べる。月額6000円のサービス内容は、依頼回数2回、依頼時間1回あたり90分(合計180分)。

 

「様々な日常生活の不便や困りごとを解決することができる」(大友社長)。
東京都内でも年内にはサービスを開始する予定。介護事業者などを対象としたフランチャイズ展開も検討している。

 

同社では高齢者施設向けの調理済食材サービスの提供も半年ほど前に開始。現場で湯煎、盛り付けするだけの食材で、施設のコスト削減に役立っている。

この記事はいかがでしたか?
  • 大変参考になった
  • 参考になった
  • 普通
全ての記事が読める有料会員申込はこちら1ヵ月につき5件まで閲覧可能な無料会員申込はこちら

関連記事



<スポンサー広告>