老年医学会が大学と連携して基礎老化研究を強化

2017年5月17日

一般社団法人日本老年医学会(東京都文京区)は5月8日、「第5回 日本老年医学会プレスセミナー『高齢者の生活習慣病』」を都内で開催。6月に行われる同会の第59回目となる学術集会で会長を務める国立長寿医療研究センターの鳥羽研二理事長らが、老年医学に対する考えを語った。

 

日本老年医学会は今年1月、「高齢者の定義を75歳以上にすべき」と提言した。同学会ではこうした対外的活動を積極的に行っており、3月には「改正道路交通法に関するQ&A集」の作成に着手、4月には「老化に関係するAMEDの研究」の公募を開始するなどしている。

 

今回のセミナーのテーマである「高齢者の生活習慣病」に関して、糖尿病については日本糖尿病学会と合同で策定中のガイドラインを5月に発表するほか、高血圧についても6月に発表予定、脂質異常症のガイドラインは9月頃の発表を予定している。

 

楽木宏実理事長は「基礎老化研究に関する大型予算が組まれる。これに伴い、研究を行う各大学の連携を推進し加速させるべく取り組んでいく」と話す。

 

また、6月14日~16日の間、名古屋市の名古屋国際会議場において「第59回 日本老年医学会学術集会」を開催予定だ。国立長寿医療研究センターの鳥羽研二理事長が会長を務める同集会では、高齢者の心身の自立を実現するために必要な「個別化医療に着目した戦略」を「アート」と表現し、テーマを「老年医学とアート」としているという。「生活習慣に着目した認知症予防」にかかわるシンポジウムや特別講演をメインに、フレイル研究や多剤投与問題、高齢者の運転問題を扱う一般演題、市民公開講座など様々なプログラムを予定している。

 

なお、セミナーでは鳥羽理事長がこの学術集会について語ったほか、鹿児島大学の大石充教授、千葉大学大学院医学研究院の横手幸太郎教授、東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科の荒木厚総括部長の3名が講演。それぞれ、「来るべき心不全パンデミックにどう備えるか?」「超高齢社会における脂質異常症の管理」「認知機能低下とフレイルを考慮した高齢者糖尿病の治療」と題し登壇した。

 

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