チャーム・ケアが介護職員の手当増額を発表

2017年5月24日

有料老人ホーム運営のチャーム・ケア・コーポレーション(大阪市)は5月18日、介護職員の処遇改善について発表。介護職の資格手当や夜勤手当の引き上げや、60歳の定年後でも賞与を受け取れる雇用延長制度を導入する。介護人材不足が深刻化するなか、待遇を改善することで優秀な社員の流出を防ぐのが狙いだ。

 

同社は、近畿圏、首都圏を中心に介護付有料老人ホームなどを38ヵ所(2017年5月1日現在)運営。各企業で人材流出を防ぐため、月額給与の引き上げや時短勤務の対象拡大などの取り組みが相次いでいるが、同社では「介護職員の保有スキル・知識を再評価するとともに、従業員それぞれのライフスタイルに応じた働き方の選択肢を増やす」としている。

 

まず、キャリアパス制度の再構築に取り組みキャリアアップの道筋を明確にした。評価項目は、(1)技術評価、(2)介護知識・一般教養の筆記試験、(3)人事考課、で構成。項目ごとの配分は、特に(1)の技術評価に重点をおいた評価基準とする。

 

次に、2017年度介護報酬改定に伴う、処遇改善の一環として、資格手当、夜勤手当を引き上げる。知識、スキルの向上を目的とし、有資格者を優遇するとともに、負担の大きい夜勤に対して手当する。手当の引き上げの対象となるのは同社のパート・嘱託を含む全社員約1400人(2017年4月末日現在)。介護職員初任者研修を修了すると従来の2倍となる月6000円、介護職員実務者研修でも2倍の月1万円の手当をつける。夜勤手当も1回あたり従来の1.4倍となる5000円から7000円に引き上げる。

 

更に、エルダー社員制度を創設し職員の雇用期間を延長する。これは60歳の定年後、65歳まで「エルダー社員」として雇用を続ける制度で、年に3ヵ月分の賞与を支給する。これまでも65歳まで嘱託社員として継続雇用する制度はあったが、賞与はなかった。また、エルダー社員の雇用契約期間満了後も、最長70歳まで契約延長して働ける体制とした。

 

さらに、夜勤、転勤が難しいなどの理由で時間給で働くことしかできず、賞与の支給対象外となっていた準社員を、賞与1.5ヵ月分を支給する「限定正社員」に昇格させる制度を新たに設ける。

 

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