コンビニの進化 「レジ袋いりますか」を指さしシートで/公益財団法人共用品推進機構 星川安之氏

2023年1月27日

 

 

日本のローソンでは、今年8月から新たな「便利」が導入された。それは、レジカウンターに貼付された、店員と言葉を交わさなくてもコミュニケーションが行える「指さしシート」である。コロナ禍で、店員は全員マスクをしている。店員の声が聞こえる人には問題ないが、話す相手の言っていることを、口の形で読んでいる聴覚に障害のある人にとっては、店員の言葉がわからない。

 

 

〇と✕で意思表示できる「指さしシート」

 

 

 

コロナ禍になると同じ時期に、袋が有料化となり、会計の時には決まって「レジ袋いりますか?」と声で問いかけられ始めた。更に弁当購入時には「箸、フォーク、スプーンは、つけますか?」も定番の質問である。その問いかけが聞き取れない人たちは、適当に返事をしてしまい、必要ない時にレジ袋を渡されたり、必要な時に箸、フォーク、スプーンを付けてもらえなかったりすることがあった。

 

そんな不便さは、ローソンの社員で、聴覚に障害のある人も持っていた。その課題を解決するため、同社は社内で検討を重ね、イラストでレジ袋や箸・スプーン・フォークの必要、不必要を〇と×で意思表示できるシートを作り全国のローソンのカウンターに設置したのである。

 

 

また、同じシートに表示されている「耳マーク」は、一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が管理しているマークで、聴覚に障害があることを示すと同時に、聞こえない人、聞こえにくい人への配慮を行うことを表すマークでもある。進化はハイテク技術だけでなく、ローテクでも行えることをこのシートは示している。

 

 

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