「ペーパーレス化 十分」2割弱 多忙で取り組むゆとり無し
ペーパーロジック(東京都品川区)は3日、介護業界のペーパーレス化の実態に関する調査結果を発表した。調査はインターネットを通じて昨年12月に実施したもので、介護関連事業の経営に関わっている103名が回答した。
「介護業界で、今後ペーパーレス化の推進は重要だと思うか」の質問に対しては「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計が76.7%と多数を占めた。その理由(複数回答)では「スタッフの業務が多く多忙だから」が最も多く、以下「人材が不足しているから」「他業種に比べDXが進んでいないから」と続く。
このように、ペーパーレス化推進の必要性について認識している経営者が多数を占めた。しかし「自社のペーパーレス化は十分に進められているか」という問いに対しては、「非常にそう思う」「ややそう思う」の回答は合計で19.4%と少なく、実際には取り組みが進んでいない状況だ(グラフ参照)。
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出所:ペーパーロジック 介護業界のペーパーレス化に関する実態調査(n=103)
「今後、ペーパーレス化に取り組んでいきたいと思うか」では、「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計は75.6%となり、積極的な姿勢がうかがえる。
「ペーパーレス化を進める上で課題になっているもの」(複数回答)では「現状の業務で手一杯で、進める余裕がない」が最多。以下「システム導入の予算が無い」「具体的な進め方がわからない」「現場の協力が得られない」「利用者に対する説明が難しい」「IT に精通した人材がいない」などとなっており、様々な事情が絡み合っている状況が見て取れる。これ以外の理由を自由回答で述べてもらったところ「監査・実地調査時に自治体より紙での提出を求められる」など、周辺・関連業界でのペーパーレス化の遅れを指摘する声もあった。
同社は2011年に設立。経理・総務関連などで原本保管が義務付けられている書類のペーパーレス化を可能にするクラウドサービスを提供している。