健康・医療情報プラットフォーム 北海道で本格稼働へ

2023年5月6日

 

 

北海道国民健康保険団体連合会(札幌市)と日立製作所(東京都千代田区)は2020年度より、道主導の下「健康・医療情報分析プラットフォーム:KDB Expander」の構築を進めてきた。4月よりシステムが本格稼働する。健康・医療情報を集約したプラットフォームで健康づくりを推進していく。

 

 

健康・医療情報分析プラットフォーム:KDB Expanderの活用イメージ

 

 

 

システムは、北海道の人口の約7割にあたる若年層から高齢者まで約370万人の健康診断結果やレセプトデータといった健康・医療情報を、保険の枠を超えて横断的に集約したもの。国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、職域保険の4つの制度を跨いでデータを集約し、抽出可能な点が特徴だ。これにより、現役世代から後期高齢者までの経年変化を個人単位で分析でき、病気が重症化していくパターンを知ることなどに役立つ。

 

道内179市町村で活用され、健康寿命延伸や医療費の適正化に向けた疾患の予防や健康づくりに寄与する。

 

 

集約したデータは分析を加えた上で市町村の職員へ提供。地域特有の課題について把握でき、効率的な保健事業の推進に役立てる。例として分析レポートのうち「健康レポート」は、保健師による保健指導業務を支援する。日立独自のAIを用い大規模な健康診断データをもとに生活習慣病の発症傾向を分析、健康改善のアドバイスや過去の診断結果をまとめた個人別のレポートを提示するものとなっている。

 

各市町村は専用ポータルサイトから、北海道全体や地域特有の健康課題が把握可能なレポート、施策構築に役立つデータセットなどをダウンロードして利用できる。

 

 

保健事業の推進 情報分析で支援

北海道は全国と比較して早いスピードで高齢化が進む。健康寿命は男女ともに全国平均より1歳短く、1人あたりの医療費も高額な状況。これら課題解消のために施策の展開が必要とされている。しかし、小規模な市町村が約6割を占めるという道内の事情により、マンパワー不足などが顕著で施策が実施しにくい。

 

こうした背景もあり、今回北海道でシステムの構築が進められてきた。

 

 

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