障害者GH紹介に強み 居住支援法人の指定も ふくし施設紹介センター
高齢者施設の営業や広報活動の支援・代行を展開するCONNECT(大阪市)は2021年末より、新事業として「ふくし施設紹介センター」を手掛けている。高齢者住宅ではなく、グループホームなど障害者向け住宅の紹介がメインなのが特徴だ。事業立ち上げに携わった、同社居住支援事業部の座安仁香留部長にインタビューした。

CONNECT 居住支援事業部
座安仁香留部長
相談は月約30件7割が障害分野
――サービスの特徴を教えてください
座安 一般的な高齢者住宅入居相談事業者と基本的な仕組みは同じです。入居希望者や家族などからの相談には無料で応じます。住宅側の紹介料は20万円ですが、事前に紹介料を設定している場合は、それに応じます。居住支援法人としての指定を受けています。
――実際の紹介実績などは
座安 現在、月に30件ほどの相談が持ち込まれています。有料老人ホームなどの高齢者住宅の入居相談にも対応しますが、メインは障害者向け住宅です。相談の約7割が障害者向けです。
既存の高齢者住宅入居相談事業者の中には、障害者向け住宅の入居相談を受けるところもありますが、当初から障害者がメインで事業を開始したのは、関西では当社が初ではないかと思います。
――なぜ、障害者をメインにしようと考えたのですか
座安 障害者グループホームが急激に数を増やしている時期でもあり、マーケットとして有望と考えました。ためしに障害者グループホームには営業を、介護保険事業の居宅介護支援事業所に該当する計画相談支援事業所には利用者の紹介依頼を行ったところ、かなりの案件をもらいました。
個人差が大きくマッチング困難
――障害者向け住宅の紹介に関する課題は何でしょうか
座安 まず、「紹介体制が十分に整備されていない」点です。例えば、現在は、自治体が設置する基幹相談支援センターという機関が住宅運営者と障害者をつなぐ機能を果たしており、実際に多くの住宅運営者がここに「営業」をかけています。しかし、ここの業務は非常に多忙で、ニーズに十分に対応しきれていません。結果として、基幹相談支援センターから民間の入居相談事業者に紹介案件が流れて来ています。
そして「利用者一人ひとりの特性に合った住宅のマッチングが非常に難しい」という点です。
――具体的にどのようなことでしょうか
座安 例えば、高齢者住宅の場合、入居者には認知症の有無や程度、持病、性格などの個人差はあります。しかし、年齢はある程度の範囲内に限定されますし、身体的な部分で介護が必要という点は同じです。それほど個人で極端なニーズの差は出ません。
それに対して障害者の場合は、年齢差も大きく、身体の状況もさまざまですので、一人ひとりに適した住宅が全く異なりす。
例えば、一般に「自閉症」と言われる人の中には、音に非常に過敏な人もいます。こうなると、生活騒音がどうしても発生する集団生活は困難です。そうした人の場合は、同じ屋根の下で他人が生活していないスタイルの障害者向け住宅を探してこなくてはなりません。マッチングにも時間がかかります。