2025年9月10日号 3面 掲載
有料老人ホームで80年代ディスコ 企業ら協力、職員着飾りダンス ツクイ
ツクイ(横浜市)は7月、介護付有料老人ホーム「ツクイ・サンシャイン相模原」で、ディスコを開いた。王道のディスコミュージックを通じて、入居者や地域住民、子どもから大人まで幅広い世代が交流することを目的とした取り組みだ。
コンセプトは「80年代のディスコ」。スタッフは各自が衣装を用意し、自由に80年代ディスコを表現。腕を上げたり、ツイストを披露したりして会場を賑わせた。高畠毅社長ら経営陣も黒服で参加者をエスコートし、ダンスフロアの真ん中で踊り盛り上げた。「スタッフは参加者の安全確認を怠りませんでした。細かな配慮の結果として、老人ホームであることを忘れさせるような空間が実現したと思っています」と津田久子施設長は語る。

経営陣も黒服でエスコート
車椅子利用者が多いため、光るスポンジ状の棒を配布して「参加している感」を演出。事故防止のための動線を敷き、途中休憩の場を設けるなど、体力面にも配慮した。
会場の暗転とスクリーン投影により、参加者は自身や家族の写真を見ながら音楽に合わせた。
同日は認知症カフェもホーム内で開催。「地域に暮らす住民同士としての顔の見える関係性を築きたい」という思いからだという。

ディスコを楽しむ参加者
コメダ珈琲の協力を得て、同社の商品を提供した。「ディスコ」と「カフェ」の二面性を持たせ、非日常と温かみの両立を図った。

認知症カフェ
参加者は120人程度。入居者75人と家族20人、地域住民20人、スタッフの家族や子どもなど12人が集った。職員の子も、夏休み中の職場見学も兼ね参加したという。
開催に当たってはジブラルタ生命などの民間企業や地域包括支援センター、市役所関係者に津田施設長が直接企画書をもってプレゼンし、賛同を得た。口コミや地域ネットワークで地域住民も集まった。
企画の発端は入居者の「ツイストを踊りたい」という声だ。老人ホームという施設の「閉鎖的」「暗い」イメージを払拭し、自由で開放的な空間として地域に発信したい狙いもあった。
5月、介護施設でDJイベントなどを行っていたDJ Gen氏へのオファーを皮切りに、約2ヵ月半で準備を進めた。「スクリーンに投影する写真を集めたり、入居者の方が踊れるよう体力づくりをしたり。準備期間はあっという間に過ぎていきました」と津田施設長は振り返る。

DJ Gen氏
今回の成功を踏まえ、施設内イベントとして夫婦が改めて愛を誓いあう「バウ・リニューアル」も計画している。