2026年7月1日号 1面 掲載
【コラム】介より始めよ
2026年7月1日
「水分摂取にトロミ剤が欠かせない入居者も、大好きなビールならむせずにごくごく飲めるんです」とある特養の施設長が言っていた。栄養など無視して好物を食べてもらう機会を積極的に設けているのだという。
▽筆者の祖母は90代前半まで自宅で1人暮らしをしていたが、ハンバーグとお菓子が大好きで、いつも食べていた。はた目には偏っていても、本人はほどよく太り至って元気。
▽先日見舞いに行ったら、病院食はあまり食べられず、買ってきたチョコレートをぱくぱく食べた。看護師は「点滴しているから」と食事介助はせずすぐにトレーを下げた。
▽デジタル化が進み、嚥下や栄養管理はますます科学的になり、栄養摂取の手段も日々進化していくのだろう。
数値で綿密に管理する正確なケアの合間に、ハメを外す余白が残ってほしい。数字では証明できないミラクルが起きるはずだ。

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