2026年7月15日号 5面 掲載
台湾でサ高住の価値講演 行政・産業界と意見交換
サービス付き高齢者向け住宅運営で国内最大手の学研ココファン(東京都品川区)の木村祐介常務取締役は6月、台湾を訪問し、日本のサ高住制度や運営実態、社会的価値や経済効果について講演した。台湾エルダリーケア産業協会(以下・TECIA)の招きによるもので、行政関係者や住宅、介護、保険、不動産などの事業者約300人が参加したシンポジウムにおいて、日本の高齢者住宅政策や制度の歩みを伝えた。
TECIAは、台湾において介護や福祉用具、金融、住宅などの関連分野の企業・団体が連携し、高齢社会の課題解決に取り組む団体。今回のフォーラムは、台湾政府関係者や産業界が日本の先進事例を学ぶ機会を設けるべく開催され、高齢者住宅政策の検討にも資する場として位置付けられた。
木村氏は2004年の学研ココファン創業期から事業に携わってきた。第1号施設の立ち上げや全国展開を進めてきた経歴に触れ、「サ高住は『施設』ではなく、高齢者が安心して暮らし続けるための『住まい』として発展してきた」と語った。
講演では、日本のサ高住について「安否確認と生活相談という最低限必要なサービスを制度として担保しながら、介護サービスは利用者自身が選択できることが大きな特徴」と言及。住み慣れた地域で暮らし続けられることを基本理念として制度設計されている点を解説した。

フォーラムでの集合写真
台中市内の施設視察も
また、制度創設から13年余りで全国約8330棟、約29万1220戸まで普及した現状を示し、「サ高住は高齢者の住まいを支えるだけでなく、建設投資や雇用創出、地域経済にも大きな効果をもたらしてきた」と強調。建設投資は累計5兆円以上、運営を含めた雇用は約20万人規模に及ぶことにも触れた。
学研ココファングループでは、254拠点、1万3291居室(子会社グランユニライフケアサービスの施設を含む)の高齢者住宅を展開。平均年齢は86・4歳、90歳以上が31%、要支援・要介護認定者が75%を占める入居実態を挙げ、「現在のサ高住は、自立した高齢者だけでなく、中重度の要介護者も支える住まいへと役割が広がっている」とした。
木村氏は台湾での滞在中、台湾衛生福利部との意見交換などにも応じたほか、TECIA会員との会合では、高齢者住宅への参入を検討する不動産事業者らと日本の事業モデルについて議論を交わした。さらに、台中市内の高齢者住宅2施設を視察し、台湾の制度や運営状況への理解を深めた。










