リビングプラットフォーム(札幌市)金子洋文社長

2015年10月13日

リビングプラットフォーム(札幌市)が入居系から在宅系サービスまで介護事業を拡大している。現在札幌や仙台、首都圏で17棟を運営しているが、既に新築や既存施設の承継などを合わせ新たに10棟近い運営が決まっている。金子洋文社長に事業戦略を聞いた。

 

──介護事業に参入したきっかけは。

 

「大学の卒業論文で持続可能な社会保障制度改革をテーマとした。前職の三菱商事グループでは2000年前後からヘルスケア分野への投資や運営のサポートに携ってきた。当時から様々な規制が存在する分野と認識していたが、成長マーケットのひとつとして注目。ヘルスケア分野で社会のインフラ整備に関わっていきたいと考えている。そうした経緯で2011年に起業。案件が持ち込まれた札幌で高齢者住宅事業を開始した」

 

──現在運営している施設の種類や数は。

 

「2011年に改修型の高齢者住宅の開設を皮切りに、翌年新築の高齢者住宅を2棟開設。ここまではすべて札幌。その後、千葉県柏市・流山市、仙台市でも展開。その間、有料老人ホーム、グループホームを運営する札幌の企業の承継も行った。現在運営している施設は介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、特別養護老人ホームなどグループ全体で17棟819室(定員数:898人)」

 

──在宅系事業にも注力している。

 

「訪問介護、訪問看護、居宅介護支援、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などを展開。ホームに併設しているケースが多い。入居系から在宅系まで総合的な介護事業を手掛けている」

 

──定期巡回・随時対応型訪問介護看護にも積極的に取り組んでいる。

 

「札幌で2ヵ所、神奈川県相模原市で1ヵ所展開している。住宅型ホームやサ付き住宅の場合、定期巡回なら包括的なサービスを提供できるのが利点。もちろん地域住民へのサービス提供も欠かせない。市町村の対応にもよるが、今後も定期巡回サービスには注力」

 

──定期巡回サービスで収益を上げるコツは。

 

「現在の定期巡回の利用者の要介護度は平均2~2・2程度。単純計算で一人当たりの介護保険請求額は16万円程度になる計算。個別性はあるが、適切なケアプランを立てた場合、当社のケースだと介護保険限度額に対して請求額は訪問介護でも定期巡回でも平均7割以下になる。定期巡回サービスの収益性は訪問介護と比べても悪くないと言える」

 

──料金体系やスタッフの配置については。

 

「1棟あたり3階建て60室が基本モデル。月額費用は介護負担を除き10~12万円ほど。介護職員の配置は定員60人で2・5~3対1、定員40人で2~2・5対1が基本。看護師を専属で配置しているのも特色」

 

──新設計画は。

 

「今年は3月に相模原で特定施設を開設。同じ相模原で今月、特定施設認可のサ付き住宅、来春、グループホームを開設する。その他、いくつか承継案件の運営を検討している」

 

──今後の事業計画は。
「現在、特養を除く入居者の要介護度は平均2・0~2・5。中重度のニーズが高まることを考えれば、医療機関との連携が益々欠かせなくなる」
「札幌を中心に障害者向けにグループホーム・就労継続支援・居宅介護・重度訪問介護などの事業も展開。また相模原で認可保育園の運営を開始した。総合的な福祉事業の展開を図っていきたい」

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