悪質な人材紹介 対策へ 「手数料の平均値、国が公表を」 規制改革推進会議

2023年5月10日

 

 

内閣府の規制改革推進会議は4月14日、「医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」を開催。複数の介護業界団体が参加し、人材紹介会社への費用負担が高まっている現状を共有。対応策を国に提案した。提言に対し、厚生労働省は悪質な紹介事業者の是正、職業紹介市場の透明性向上の強化に向けた対策を検討していく方針だ。

 

 

市場の透明性、課題

 

会議において、一般社団法人『民間事業者の質を高める』全国介護事業者協議会は「これまで人材紹介料は想定年収20〜25%が多かったが、昨今30〜35%に上がってきている上に、紹介される人材や紹介事業者の担当者の質が低い」と課題を指摘。定期的な監査指導など紹介事業者の適正化を進める必要があると提起した。

 

公益社団法人全国老人福祉施設協議会は、1年間に紹介事業者に支払った手数料の総額は1施設当たり354.5万円に及ぶと報告。「退職の意思が無い人にも直接事業所に連絡し、転職勧奨を行う紹介事業者もいる」といった事例も共有し、そうした行為を禁止するなど指導監督の強化を提案した。

 

 

これら業界団体の提起を受け、政府は主な課題を
①悪質な紹介事業者への対策強化
②職業紹介市場の透明性向上
③優良な紹介事業者の選択円滑化
④ハローワークの機能強化
――の4つに整理し、右表のようにまとめている。

 

 

厚労省はこれらの課題を認識した上で、紹介事業者の質の向上や適正な競争の促進に向けた対策を今後検討していく構えを示した。

 

なお、厚労省は今年2月から、紹介事業者の法令違反の疑いについて事業者が相談できる「『医療・介護・保育』求人者向け特別相談窓口」を各都道府県の労働局に設置している。紹介事業者の利用でトラブルが発生した際に相談が可能だ。

 

 

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