介護労働組合、厚労副大臣に賃上げ求め署名62万筆 UAゼンセン日本介護クラフトユニオン

2023年10月26日

 

UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(東京都港区)は10月18日、介護従事者の処遇改善を求める署名活動に寄せられた62万2365筆の署名を宮﨑政久厚生労働副大臣に提出。2024年度の介護報酬改定に向け、介護従事者が安心・安定して働ける水準となるような報酬設定を求めた。

 

 

宮﨑政久厚生労働副大臣(右から3番目)に署名を手渡す染川朗会長

 

 

人材の流出防止を

 

署名活動は7月より開始。要請事項は

▽介護従事者が、介護の仕事を安心・安定して永く続けることができる水準に介護報酬を設定すること

▽利用者・家族そして介護従事者が、理解し納得できるよう簡素な仕組みの介護報酬を設定すること

――の2点。
 

介護業界の人材不足は加速の一途を辿っている。厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると介護職種の有効求人倍率は2022年11月時点で3.87倍。全産業の平均1.35倍と比較して大きな開きがある。若い世代の入職者が少なく、職員の高齢化が進む。高齢者が増加し介護ニーズが増す一方担い手がいない。
 

染川朗会長は、「高齢者数がピークとなる40年に向け介護職員を確保しなければならない。しかし、他産業への人材流出が加速している」と現状について語る。
 

厚労省「令和4年雇用動向調査」の結果では、医療・福祉分野の入職者数は約113万8000人。対して離職者数は約121 万人。離職者数が入職者数を上回るのは04年以降初だ。介護職員数が減少している現状が明らかになっている。
 

特に訪問介護事業所ではその影響は深刻だ。厚労省の「職業安定業務統計」によると、22年度の訪問介護職員の有効求人倍率は15.53倍で過去最高を記録している。
 

「介護職員数の減少は処遇の低さが原因」と染川会長は言う。介護崩壊の危機に直面しているとして「他産業と遜色のない賃金水準とするなど、即効性のある有効な施策を」と宮﨑副大臣に訴えた。
 

村上久美子副会長は今年春の賃上げについて言及。「今年春の賃上げ率は一般企業で3.58%。しかし、組合員の半数以上は賃上げがゼロ。定期昇給もない。国が処遇改善を行っても、まったく追いついていない」と、処遇改善が一向に進んでいない現状を訴えた。
 

署名を受け取った宮﨑副大臣は、「人材確保や財務的なことから介護事業者が苦境に立たされていること、介護従事者の処遇対策が十分でないという声は承知している」と話した。処遇改善や報酬体系の簡素化に取り組んでいく姿勢を見せた。
 

介護サービスにおいては介護報酬により対価が定められている。サービスの価格に転嫁して賃上げをすることができない。そのため、全産業と比較してさらなる賃金格差が生まれている。人材流出を止めるための処遇改善をいかに行うかが課題になっている。

 

この記事はいかがでしたか?
  • 大変参考になった
  • 参考になった
  • 普通
全ての記事が読める有料会員申込はこちら1ヵ月につき5件まで閲覧可能な無料会員申込はこちら

関連記事



<スポンサー広告>