2026年8月19日号 35面 掲載
「人への投資」を重視 教育・子育て支援で人材確保
社会福祉法人ひだまり(滋賀県米原市)は、職員に対する手厚い教育投資と、子育て世代が活躍できる柔軟な人員配置を核とした独自の事業戦略を展開している。これにより、業界平均を大きく上回る収益性を確保。経営の持続可能性を高めている。

社会福祉法人ひだまり 永田かおり理事長
永田かおり理事長は、「現在の社会福祉法人の経営には、時流を読む力と変化への対応力が求められる。その源泉は職員一人ひとりにある」と語る。
産休・育休復帰率100%
ひだまりの強みは職員の若さにある。訪問看護職員の平均年齢は約33歳と全国平均より約14歳も若い。さらに産休・育休取得後の復帰率は100%に達している。これを支えるのが、法人内保育を1日500円で提供する「1コイン保育」制度や、急な休みも拠点・法人全体でカバーする手厚い支援体制だ。働きやすさが若い人材を惹きつけ、法人の活力となっている。
併せて「部分最適・全体最適」の考え方に基づき、事業所間で常に兼務職員を配置する柔軟な人員配置システムを構築。毎朝のオンライン朝礼で全拠点の休暇状況を共有し、急な欠員にも法人全体で対応する。

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人材育成では法人全体の収益約9億円に対し、1.5~2%にあたる約1500万円を教育投資に充当。外部研修や他法人への見学を積極的に実施する。こうした人材への投資と効率的な組織運営の結果、法人全体で償却前利益18%、最終利益10%という高い収益性を確保している。
■法人・地域の垣根を越えた成長機会
人材育成は法人内にとどまらず、2026年下半期には、長崎県と熊本県の社会福祉法人との3法人による交換留学制度を実施する計画だ。この取り組みの最大の特徴は、3法人が共通の介護ソフト「ケアカルテ」の活用とインカム使用などのICT推進や自立支援介護を推進している点にある。これにより、職員は異なる法人の現場でも即戦力として機能でき、学習効果を最大化できる。期間は3日から1週間程度を想定しており、各法人が持つケアレベル、多職種連携、在宅サービスといった強みを相互に学ぶ機会とする。
こうした法人間の連携は、人材育成から事業継続計画(BCP)の強化へと発展を企図している。地理的に離れた拠点間で同時被災のリスクが低い利点を生かし、災害時の相互支援協定の締結も検討。これは熊本の法人からの提案で具体化した。共通のシステム基盤と交換留学で培った相互理解があるからこそ実現可能となる。
■収益を地域還元、自立支援に
安定した経営基盤と人材力を、地域の自立支援へとつなげている。同法人では最終利益の約5%を地域貢献に投資。介護保険に頼らない健康寿命の延伸を目指し、リハビリ職などの専門職が地域へ出て講演活動や介護予防教室などを実施する。
活力ある若い職員が主体となり、スーパーマーケットと連携した買い物支援など、生活インフラを支える新たな取り組みもにも力を入れる。これは職員にとっても新たなやりがいとなり、人材確保・定着に貢献する。また、法人の地域活動をきっかけに、地域住民の介護などのサービス利用につながり収益面にも寄与するといった、好循環を生み出している。
【法人概要】
所在地:滋賀県米原市
事業規模:約9億円
事業拠点:
■一色拠点小多機、デイ、認知症GH、生活介護
■本郷拠点小多機、特養
■近江拠点看多機、訪問看護・リハ、訪問介護、放課後等デイ、児童発達支援、生活介護、居宅介護支援など
■米原元気拠点看多機(サテライト)、放課後等デイ、総合事業など
■米原駅前拠点地域交流スペース













