2026年7月22日号  1面 掲載

【登録制の是非・特集①】有料老人ホーム改革へ「登録制導入」 基準・規則を強化、施設の大半が対象に

2026年7月22日

有老改革へ法整備 適正化論点に

 

社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)の成立により、有料老人ホームを対象とした登録制の導入と、新たな相談支援類型(登録施設介護支援)の創設が決まった。いわゆる「囲い込み」対策の強化に向けた届出制からの転換、ケアプランへの利用者負担の導入という施策は、高齢者住宅業界に大きな影響を与えるとみられる。

 

 

 

 

ケアプラン有料化「外付け型」のみに

 

■届出制から登録制へ移行

現在、住宅型有料老人ホームは自治体への届出により開設できる。改正法に基づき、中重度の要介護者などを入居対象とするホームについて登録制度が導入され、一定の登録基準を満たさない場合、自治体は登録を拒否することとなる。介護付有料老人ホームのような許可制ほどのハードルを設けるものではないが、届出制よりも規制を一段階強めた。

 

登録制は届出制と許可制の中間に位置する制度であり、一定の基準を満たしているかを行政が確認する。更新は5年ごとが想定されており、基準を満たしていなければ指導や是正の対象となる。しかし、「ホームには入居者が生活していることを踏まえれば、更新時には入居者保護を最優先に考える必要がある」と公益社団法人全国有料老人ホーム協会(東京都千代田区)の渡邉潤一常務理事は語る。「重大な法令違反などを除けば、指導や是正を通じて事業継続を図ることが基本になるべき」との考えだ。

 

登録基準の具体的な内容としては、

▽特定の介護サービス事業者の利用を入居要件とすることの禁止

▽ケアマネジメントの独立性確保に係る方針の策定・公表

▽住まい事業と介護サービス事業などの会計の分離

――などが盛り込まれる方向で、登録要件の詳細や運用方法は今後詰められる。

登録制の対象について、厚生労働省は既存の有料老人ホームの大半が対象となる想定をしている。

 

住宅型は、多様な介護ニーズの受け皿として重要性が著しく高まっている。中重度の要介護者の受け入れが増加しており、入居者の実態は介護付と大きく変わらない状況だ。一方で、介護付は介護保険法の指定に基づく人員・運営基準が課されているが、住宅型には老人福祉法上の届出と設置運営標準指導指針への対応しか求められておらず、規制の強度の差が顕著だ。「両者の機能が近接している中、制度上の位置づけにかなり差がある状況になっていた。そのため、両者の均衡を確保する観点から登録制を導入することとした」と厚生労働省老健局高齢者支援課長濵本健司氏は語る。

 

現行の届出制のもとでは、自治体が指導監督を行う際の根拠となるのは標準指導指針だが、法的に義務を課すものではないという実情があった。「登録制においては、事前規制の根拠が法的に明確となり、有料老人ホーム全体として入居者の安全性や尊厳の確保の強化が期待できる」と濵本氏は言う。

 

【特集②へ続く】

 

 

 

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