2025年10月22日号 1面 掲載
【コラム】介より始めよ
2025年10月22日
「日本には美しい四季がある」というのも、もはや昔の話。近年は夏と冬の「二季」化しているように思う。実際、三重大学の研究によると、2023年までの42年間で「夏の期間」が約3週間長くなったことが明らかになったという。
体温調節機能が低下した高齢者にとって暑さは大敵。長崎大学などの研究チームが9月に発表したリリースでは、気候変動の影響で高齢者の救急搬送件数のピークが冬から夏へと移行する傾向が示唆された。なお、冬の搬送件数が減少するわけではないため、夏と冬の両方で搬送件数が増加する「ダブルピーク現象」が発生するリスクも指摘されている。
持続可能な医療体制を考える上で、高齢者の救急搬送増加という課題への対応は必須だ。今後、高齢者の医療需要を勘案する際には、地域の人口や高齢化だけでなく、気候変動の影響も熟慮する必要がありそうだ。
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