2026年6月10日号 14面 掲載
「人生会議かるた」市販化 「縁起でもない話」気軽に/大阪樟蔭女子大学
本紙2025年11月26日号で紹介した、大阪樟蔭女子大学(大阪府東大阪市)健康栄養学部の学生たちが考案・制作した、フレイル予防と人生会議(ACP)を学べるかるたの一般向け販売がスタートした。制作を指導した同大学井尻吉信教授に話を聞いた。

大阪樟蔭女子大学健康栄養学部 井尻吉信教授
――かるた制作の経緯を教えて下さい
井尻 新型コロナウイルス感染症の影響で、外出機会が減った高齢者の認知機能や身体機能の低下が進んだという事態を受け、これを何とか解決できればと考えました。「楽しくフレイル予防を学べるように」と管理栄養士を目指す学生とともに22年に考案しました。
――販売については
井尻 24年にクラウドファンディングで196万円を集め「80GOかるた」として400部を制作、完売しました。
――第2弾を制作した経緯は
井尻 人生会議を加えたものに内容を一新しました。25年末に再度クラウドファンディングを行い、167万円強を確保できました。それを基に、第2弾を300部製作して一般販売を開始するとともに、第1弾も500部増刷して再販をスタートしました。価格はいずれも1500円(税込)。大学を含む樟蔭学園のグッズなどを扱う樟蔭エンタープライズを通じて販売しています。
――かるたを通じてどのようなことを訴えていきたいですか
井尻 私自身、母をがんで看取った経験があります。余命宣告を受けていたにもかかわらず「最期はどう過ごしたいか」「葬儀はどうしたいか」などの肝心なことは「縁起でもない」と聞けずじまいでした。かるたをデイサービスなどの通いの場や、一般家庭などで広く活用してもらうことで、人生会議が自然にできる社会になればと期待しています。
――かるたの普及に向けての取り組みは
井尻 「80GOかるたプレゼンター」認定制度をスタートさせました。単なるかるた遊びではなく、人生会議の必要性について伝えるトークなどを加え、高齢者の集まりなどでレクリエーションを実施できる専門家を養成し、認定していく制度です。まず第2弾のクラウドファンディングで2万円以上協力してくれた人へのリターンとして、これまでオンラインで認定講座を2回実施し、17名のプレゼンターが誕生しています。プレゼンター用のオリジナルTシャツも制作しました。今後は、プレゼンター認定講座を介護事業所や地域の通いの場で働く人たちなどに向けても実施していきたいと考えています。











