2026年7月1日号 14面 掲載
シニアスタイル(尼崎市)、4月から新経営体制 周辺事業強化も
兵庫県尼崎市~神戸市エリアで高齢者住宅を運営するシニアスタイル(尼崎市)の社長に4月1日付けで岩倉良一前取締役が、会長に廣瀬秀毅前社長が就任した。トップ交代の目的や今後の事業戦略について両名にインタビューした。

廣瀬秀毅会長
現在5棟運営 リハ等に注力
――会社について教えてください
廣瀬 設立は2011年です。2014年に第1号のホームを開設し、現在は尼崎市~神戸市東部エリアで5棟、合計417室の高齢者住宅を運営しています。「リハビリテーションと医療提供に力を入れながら、手頃な入居費用を実現」することを重視しています。
また、近年ではグループでクリニックを運営したり、高齢者住宅入居相談事業や介護人材の養成・研修事業を手掛けたりなど、高齢者住宅以外の事業にも注力しています。2026年4月には大阪市天満橋で外来診療も手掛けるクリニックが新たにグループに加わりました。
――今回のトップ交代の目的は
廣瀬 今後の介護報酬改定リスクなどを考えると、前述したような介護保険外サービスへの取り組み強化は会社として不可欠です。一方で高齢者住宅事業についても多様化するニーズへの対応など、取り組むべき課題が多くあります。
この2つを私が同時に進めていくのは難しいと判断しました。私が会長として高齢者住宅以外の事業の拡大・深化に注力し、高齢者住宅運営については別の者が対応した方がいいと判断しました。
医療など周辺事業強化
――岩倉新社長の経歴を教えてください
岩倉 2025年1月までSOMPO ケアに在籍し、関西の高齢者住宅の統括業務などをしていました。2025年2月にシニアスタイルに取締役として入社しました。

岩倉良一社長
旅行など自由な生活実現に注力
――今後、高齢者住宅の運営で力を入れていきたい点は
岩倉 2026年5月末時点で入居率は98.6%と高い水準を維持しています。これを維持しつつ、新たな価値観を付与していきたいと考えています。
――具体的には
岩倉 高齢者やその家族の中には「高齢者住宅では外出が自由にできなくなる。これまでの生活スタイルを変えなければならない」というイメージがあるかと思います。そのイメージを払拭し、外食や旅行、趣味活動など入居前に行ってきたことを可能な限り続けられる生活、自分のスタイルを変えなくてもいい生活の提供に注力していきます。
「シニアスタイル」という社名・高齢者住宅のブランド名にはそうした意味が込められています。それを改めて追求していきたいと考えています。そのためには、現在働いているスタッフの意識を変えていくことが重要です。また、家族の理解・協力も必要になるでしょう。

運営ホームの1つ「シニアスタイル西宮北口」(写真はホームページより)
――今後、高齢者住宅を新設する予定は
廣瀬 数は増やしたい考えはあります。しかし「当社の事業エリアの阪神間で運営に適した土地や十分な人員が確保できるか」という点が不透明です。先に運営の数値目標を掲げてしまうと、それにこだわるばかりに質の良くない高齢者住宅を開設してしまうリスクもあります。現時点では具体的な数値目標や開設計画はありません。
また、昨今の建築コストや人件費の高騰を考えると、これまでと同様のモデルで開発を続けていくのは困難になることも考えられます。価格帯を今よりも下げる、あるいは上げる、もしくはナーシングホームやアクティブシニア向けなど新たなスタイルの高齢者住宅の運営も視野に入れる必要があると思います。










