2026年6月3日号 8面 掲載
福祉起点に地域のDX化推進 共創福祉ひだ
社会福祉連携推進法人「共創福祉ひだ」(岐阜県飛騨市)は、地域の福祉・医療関係者のデジタルリテラシー向上に向け、学び合いのコミュニティ形成に取り組んでいる。福祉関係者を起点に地域全体のDX推進を目指す。
共創福祉ひだは、社員法人である吉城福祉会と神東会の経営改善に取り組んできた。
並行して、2026年3月から本格化したのが「やさしいデジタルひだ」の活動だ。社会福祉法人、医療法人、行政など11法人・約60人がチャットツール「Slack」でつながり、デジタルに関する情報交換や、リアルでの勉強会を行っている。25年度中は岐阜県介護生産性向上総合相談センターの職員も参加し、活発な意見交換が行われた。

介護情報基盤への対応に向けた準備も進める
活動の背景には、飛騨市が24年3月に策定したDX推進計画の理念である「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」がある。共創福祉ひだの上葛健介氏は、「この理念の実現には福祉事業者のデジタルリテラシー向上が不可欠と考え、活動を開始した」と説明する。
現在Slack上では、AIの活用について活発に議論されている。
介護情報基盤対応も
例えば参加者から寄せられた「会議録作成の負担を軽減したい」という要望をきっかけに、Googleの「NotebookLM」が紹介された。当初は外国人職員の利用を想定したものだったが、サービス担当者会議などでの活用も広がりつつある。上葛氏は「担当者が1人で課題を抱え込まず共同で学習を進める環境が重要だ」と指摘する。この取り組みは、デジタル化の過程で孤立しがちな担当者を地域で支援する仕組みとして機能している。
26年春には介護情報基盤をテーマにした対面形式の勉強会が開催された。共創福祉ひだは介護情報基盤の「導入支援事業者」として登録。地域の事業者が早期に準備を進められるよう伴走支援を行っていく。

社会福祉連携推進法人共創福祉ひだ 橋本正人代表理事
一方で橋本代表理事は「地域の福祉の変革には、法人経営層の意識改革が必要」との認識を示す。そのためやさしいデジタルひだの取り組みを、経営層の意識改革を促すためのきっかけの1つと位置づけている。橋本氏は「共創福祉ひだを核として、いずれは飛騨地域のほとんどの法人が連携できる形になれば」と今後の展望を語る。













