2026年8月5日号 10面 掲載
フローリングのような畳 衝撃吸収性高く 住宅改修にも
大山畳店(埼玉県八潮市)が開発した「リフォーム畳」は、フローリングのような見た目でありながら、畳と同様の衝撃吸収性を備えた製品。住宅改修として介護保険の給付対象にも認められている。同商品で特許を取得し、「渋沢栄一ビジネス大賞特別賞」など複数の賞を受賞した。開発者である大山惠美子副代表に、開発の経緯や製品の特徴などを聞いた。
――開発の経緯を教えてください
大山 日本の生活様式の洋風化などにより畳の需要が減少する中、当社は畳事業に特化する道を選択しました。2010年、「畳で洋室が作れないか」という着想を得て、製品開発に着手しました。
リフォーム畳は、畳床の上にフローリング柄、畳柄など多種類のクッションフロアシートと硬質の板材を貼着させたもの。当初はクッションフロアシートのみを畳表として使用することを考えましたが、強度に課題がありました。試行錯誤を重ね、クッションフロアシートを硬質の板材に貼り付け、それを畳床に固定する独自の構造を考案しました。沈み込みが無く車椅子がスムーズに動かせ、畳床も傷みにくい製品となっています。

車椅子を使用しても傷みにくい
――畳の衝撃吸収性について教えてください
大山 当社の製品が優れていることは、16年に公的機関で実施した試験でエビデンスが得られています。高齢者が転倒した際に大腿骨を骨折するリスクが高まる荷重値は3500Nとされていますが、フローリングで転倒した場合は、この数値を上回る衝撃が発生します。一方、リフォーム畳は衝撃を分散させ、衝撃のピーク時でも荷重値は約1300Nであることが確認できました。

家族で経営(中央が大山惠美子副代表)
――シニア向け住宅や介護施設で導入するメリットについて教えてください
大山 高齢者が転倒した際の衝撃を緩和し、けがや骨折のリスク低減につながると考えています。また、安全な居住環境の構築にもつながるでしょう。施工も早く、6畳一部屋であれば荷物の移動を含めても約3時間で完了するため、利用者がデイサービスを利用している間に作業を終えることも可能です。
実際に、入居者自身の費用負担で畳をリフォーム畳へ交換した事例もあります。施設側にとっては費用を負担することなく居室の安全性を高められるメリットがあり、施設からもスムーズに施工の許可を得ることができました。
フローリング柄を使用すれば、シニアだけでなく、多世代が暮らす住まいにもなじみやすい点は大きな特長だと考えています。
――今後の展望を教えてください
大山 今後は他産業のさまざまな企業との交流を深め、販路を拡大していきたいと考えています。これまでも、産業交流展など多様な業界の展示会や、大同生命が展開する中小企業同士の交流プラットフォーム「どうだい?」を通じて、商品開発や事業化に関するアドバイスを得てきました。
26年には、施工なしで簡単に敷設できる「置き畳」に関する新たな特許も取得しました。プラットフォームも活用しながら、介護施設や公共施設、さらにはアウトドア市場など、新たな分野への展開も視野に入れています。










