2026年8月12日号 14面 掲載
高齢者向けに特殊傘 独自構造で高い遮熱性/スギタ
スギタ(大阪市)は1936年創業の傘メーカー。ビニール傘の登場などで、傘に「安価」「使い捨て」のイメージが強まる中で、20年ほど前よりSDGsなど「価値の高い傘」の開発・販売に注力している。今年から販売を開始したのが遮熱率の高い日傘だ。熱中症弱者と言われている高齢者や障害者などに積極的に提案していく。

杉田佳之社長
欧州の熱波で急遽先行販売
最大の特徴は傘の布地の一部が二重構造になっていること。布と布の間にできた空気の層による断熱効果で、折りたたみ傘としては世界最高レベルの75%の遮熱性を誇る。2025年に開催された大阪・関西万博では、熱中症対策用のレンタル日傘として会場に置かれた。耐水性のある布地を使用しているため、雨傘としての使用も可能だ。
今年4月にシンガポールで行われた、介護・ヘルスケア関連の製品・サービスのコンテスト「Asia pacific eldercare innovation award 2026」で初めて公式にリリース。このコンテストではassist living 部門を受賞している。
「正式販売は27年夏を予定していたのですが、熱波被害が深刻なヨーロッパからの問い合わせが多く寄せられたため『今、可能な分だけでも販売しよう』と先行販売をすることにしました」と同社3代目の杉田佳之社長はコメントする。
外出促進でフレイル予防
販売に際して強調したのが「熱中症対策製品」であるという点。名称も傘をイメージされないように「MEDICA HEAT -SHIELD」と医療機器を想起させるものにした。
「暑い日は、どうしても外出を控えがちになります。そのことが高齢者にとってはフレイルや社会的孤立を促進させる原因にもなります。熱中症のリスクを下げることは外出の促進につながりますし、それが医療費や介護費用の抑制にもつながるのではないでしょうか」
介護事業所の保険外収入に
当初の予定を早めて発売したため、現在の課題は販売体制の構築だ。高齢者向けの製品ということもあり、主にテレビなどの通販番組を活用していく計画。介護業界にも積極的にアピールしていく考えだ。
「例えば、介護事業所にまとめて卸し、そこから利用者や入居者に販売をしてもらいます。この場合は差額が介護事業所の利益になります」
このほか、介護事業所が備品として購入し、外出レクリエーションや利用の通院同行の際に使用することや、訪問ヘルパーや訪問看護師、ケアマネジャーなど外出機会が多いスタッフの熱中症対策に使用することなども想定している。










