いくつかの種別がある軽費老人ホーム
軽費老人ホームは、生活に不安のある高齢者を主な対象に、有料老人ホームなどに比べると安価な費用で入居ができる、自立した人向けの公共タイプ高齢者施設です。
軽費老人ホームは老人福祉法や社会福祉法に基づいた施設で、3つの種別があります。A型は食事の提供を行い、B型は自炊が原則です。ケアハウスには、介護型と一般型があります。一般型では、食事提供などの基本的な生活サービスを受けながら、自立した生活が送れるようになっています。
なお、軽費老人ホームは2008年にケアハウスに一元化され、A型・B型については少数の既存施設のみ、運営が継続されています。
介護が必要になると、退去を求められることも
軽費老人ホームの最大のメリットは、公共タイプの施設ということで、所得が低い人の場合は、それに応じて利用料も安くなることです。また、多くは自立の人を入居対象としているため、一般的な要介護者向けの公共タイプの入所施設に比べると、住む人の生活の自由度が高いことも特徴です。一方で、A型は居室の面積が6.6㎡以上と狭いこと、特定施設である介護型を除いては、介護度が進行したり認知症を発症した場合は退去して、特別養護老人ホームや要介護型の有料老人ホームなどに移らなければならないことなどがデメリットです。
介護サービスは提供されないのが一般的
軽費老人ホームの居室は個室ですが、施設によっては夫婦用の2人部屋を用意しているところもあります。これに、共同のトイレや浴室などが付随するのが一般的です。B型の場合は食事が提供されないので、自炊用として居室内にキッチンが設置されています。また一般型ケアハウスの居室には、トイレ・洗面・ミニキッチンが設置され、浴室付きのタイプも見られます。
軽費老人ホームでは、入浴支援や生活相談、緊急対応などの、日常生活必要なサポートに加えて、A型やケアハウスでは食事の提供が加わります。一方で、食事の介助などの介護サービスは提供されません。A型やケアハウスでは、外部の事業者によるサービスを利用することにより、家事援助や入浴介助などの介護サービスを受けることができます。
軽費老人ホームの入居者は、原則として60歳以上の高齢者または夫婦のどちらかが60歳以上。自分で身の回りの世話ができるということが基本的な条件で、所得の上限や共同生活に適応できるかも考慮されます。