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STEP 01

Case Study こんなときどうする?

Case

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親を施設に入れたいが、十分な資金がなく特養も空きがない…

特別養護老人ホームの空室がない場合、その他の介護保険施設を利用するなどして、入所の順番を待つのが一般的。介護保険施設では、所得に応じた負担軽減制度も用意されています。

特養に入れたいけれど、すぐに入れない

田中由美さん(52歳)は、ここ数年、要介護4の父・幸三さん(84歳)を自宅で介護してきました。しかし、自分も持病が思わしくなく、介護疲れがひどくなり、そろそろ自宅での介護は限界かなと感じています。

そこで、父に特別養護老人ホームへ入所してもらうことを考えたのですが、空室のある施設が近隣にはなく、当分の間、入所ができないといわれてしまいました。一時的だとしても、要介護型の介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などに入所するには、資金が足りません。

このままでは、父の介護も思うようにできず、由美さん自身も介護疲れにより、親子2人の生活が破綻してしまいそうで心配です……。

どうすれば解決できる?

介護保険制度に基づき、比較的費用負担が少なく入居ができる特別養護老人ホームは、入居希望者が集中してしまい、希望しても入居できない「待機者」が続出して社会問題となりました。しかし、その後の国や自治体の施策によって、ピーク時に比べると待機者の数が減り、地域によっては、それほど待たずに入居できるところも見受けられる状況です。

特養への入居を考える場合は、在宅ならケアマネジャー、入院中なら医療ソーシャルワーカー(MSW)などに相談し、地域を広げて探すよう心がけましょう。すぐに見つからない場合は、介護老人保健施設(老健)への入所や小規模多機能型居宅介護など、レスパイトのための在宅介護サービスなどで時間をつなぎながら、特養に空室が出るのを待つのが一般的です。

資金面でも、介護保険施設であれば、居住費や食費を減額する補足給付のような負担軽減の制度があります。これらについても、ケアマネジャーやMSWに相談しましょう。

状況ポイントと対応策

  • 自宅で娘(由美さん)がひとりで父親(幸三さん)を介護している
  • 資金に余裕はなく、民間の施設には入居できない
  • 娘(由美さん)は介護疲れ状態
  • 特養には空きがない

対応策

  • ケアマネやMSWに相談し、できるだけ早期に入所できそうな特養を探す
  • 老健や小規模多機能などで過ごしながら、特養の空きを待つ
  • 費用面の支援策について情報を集める