医療ケアが必要になり、元の住まいに戻ることができない
介護度が重くなったり医療的ケアが必要になると、施設や住まいによっては転居しなければならないことがあります。介護や病気の進行を想定して、施設を選びましょう。
突然の脳梗塞で介護度が悪化して……
主婦の佐藤美奈子さん(50歳)は5年前に母を亡くし、父の春彦さん(83歳)は要介護者向けのサ高住にひとりで入居していました。
ところがある日、春彦さんが突然の脳梗塞で入院することに。幸い一命は取り止めましたが、要介護度4となり半身麻痺のため車いすを使用。今は機能訓練のためリハビリ病院に入院しています。後遺症で口から食事をとることができず胃ろうとなり、夜間の痰の吸引も欠かせなくなりました。
それまで住んでいたサ高住には看護師がおらず、医療行為に対応できないため、退院後は戻ることができません。資金の関係で24時間看護師がいる高額な有料老人ホームには入れず、特別養護老人ホームも夜間の医療行為ができないので入居できません。どうしたら良いでしょう?
どうすれば解決できる?
まずは、できるだけリーズナブルな金額で入居ができる、24時間看護師が常駐している有料老人ホームを探しましょう。また、比較的安価で入居が可能な、訪問看護事業所を併設した要介護型の住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅について情報を集めます。
入院中の病院に、メディカルソーシャルワーカー(MSW)や地域医療連携室などの窓口があれば、相談してみるのもひとつの方法です。有料老人ホームやサ高住のほかに、介護医療院(P.48)や介護療養型医療施設(P.46)など、医療的ケアが可能な公的な施設にも春彦さんが入所可能な施設があります。
今回のケースのように、重度になってからの住み替えはとても大変です。元気なときや介護度が軽い状態で高齢者向け住宅に入居する際には、この先の介護の進行を見据え、入居をする住まいや施設が「どんな状態まで暮らせるか」を確認しておくことが重要です。
状況と対応策を整理しましょう!
ご状況
対応策
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
他の記事を読む
ステップ
1
自分の状況に当てはまる高齢者施設への入居事例から、
イメージしましょう
ステップ
2
高齢者施設の種類や違いを理解しましょう
ステップ
3
高齢者施設の費用を理解しましょう
ステップ
4