
高齢の母が骨折で入院!退院後、一人暮らしの生活は難しそう…
高齢者は、転倒・骨折して入院し、それがきっかけで介護度が高く(重く)なり、自宅での生活が難しくなることが少なくありません。その場合、住み替えを検討する必要があります。
高齢者の骨折で退院後の施設
高橋純子さん(49歳)は、夫とその両親との4人暮らし。ある日、自分の実家近くに住む妹から連絡があり、一人暮らしをしていた高齢の実母・幸子さん(76歳)がケガをして入院したとのこと! 病院で話を聞くと、大腿骨頸部骨折で入院し、手術は無事済んだということでした。
主治医によれば、今後は病院でリハビリなどを行い、1カ月ほどの入院期間で退院の予定といいます。しかし要介護3の状態で退院後は、おそらく今までのような一人暮らしを続けるのは難しいのではないかともいっています。
実家近くに住む妹も純子さんと同じように夫の家族と同居しているため、幸子さんを引き取るわけにはいきません。幸子さんの今後の住まいを探さなければならないのですが、介護施設に心当たりがまったくなく、金銭的にも余裕がないので困っています……。
高齢者の骨折で手術後退院するまでの入院期間
昔と違い、高齢者といえども病院には長く入院していることができず、大腿骨頸部骨折の場合、手術後退院するまでの入院期間は1カ月ほど、というのが一般的です。しかし、大腿骨頸部骨折は、手術での治療が済んでも、その後の自立度が大きく低下し、介護が必要になるケースが多く見られます。
このため純子さんのケースでは、できるだけ早く、母の幸子さんの退院後の住まいを探さなければなりません。この場合、退院後は介護老人保健施設(老健)へ入居すれば、3カ月~6カ月のリハビリ期間がありますから、その間に住み替え先を探すとよいでしょう。資金的な余裕がないということなので、住み替え先としては要介護3から入居できる特別養護老人ホームを探すことになりますが、すぐの入所は難しいでしょう。まず複数の特養に入居申し込みをしておき、入所できるまでの期間だけ入居する、できるだけ安価な住宅型有料老人ホームやサ高住を探します。
ポイント
● 娘(純子さん)は実家から離れて暮らしている(夫家族と同居)
● 妹も夫の家族と同居
● 母親(幸子さん)が転倒し、骨折。手術をして入院中
● ひとり暮らしをしていた母(幸子さん)の、退院後の行き場所がない
対応策
・老健でリハビリを続けながら、特養に入所申し込みをして、入所できるまで安価な住宅型有料老人ホームやサ高住に入居する
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
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