高齢者の生活支援に関するニーズは多岐にわたる
介護保険のサービスは、介護保険法に基づいてサービスの種類や利用基準などが定められています。しかし、高齢者が住み慣れた場所で自立した生活を続けるためには、さまざまなニーズが発生します。このため、介護保険制度には定められておらず、公的制度では提供することができないニーズに応えるのが介護保険外サービスです。
たとえば介護保険制度では、掃除や洗濯、一般的な調理や買い物などについては、「生活援助」として提供できるサービスとしています。しかし、同居する家族がいる場合は、原則的にはこうした生活援助を利用することはできません。
あるいは、ペットの世話や花木の水やり、庭の草取り、金銭の管理といったことは、介護保険のサービスでは提供することができませんが、高齢者にとっては支援が必要な日常の課題でもあります。介護保険外サービスは、こうした日常的な要望に応えるためのものとして注目されています。
自治体や民間、NPOなど実施主体もさまざま
介護保険外のサービスには、それを実施する主体によって、自治体が提供するもの、民間の事業者が有料で提供するもの、NPOやボランティアが有償・無償で行うものなどがあります。こうした情報は、市区町村の福祉担当窓口や地域包括支援センターなどでも得ることができます。
公的介護保険外のサービスとしてよく見られるものに、介護タクシーを利用しての介護保険で認められた外出以外の「移送サービス」、比較的安価な値段で食事を提供する「配食サービス」、低料金での「家事代行サービス」などがあります。