
契約内容と実際のサービス内容が違うときは?
いざ入居したものの、契約内容とサービス内容が違うと感じたら、まずは契約書や重要事項説明書を再確認し、管理者に訴えます。
事実関係を証拠として行政窓口等に相談することも
実際に高齢者施設に入居したものの、入居前の説明と実際のサービス内容が違うというトラブルがあります。たとえば、「職員の数が、基準で定められている数よりも少ない」「入浴回数が、決められている回数よりも少ない」といったトラブルです。
このように、明らかな法令違反や契約違反の場合は、その事実関係をきちんと記録し、証拠とした上で、担当行政の窓口に相談することができます。
認識の齟齬やすれ違いが原因のケースもある
しかし、入居者が「契約内容とサービス内容が違う」と感じるトラブルでは、事業者側と入居者側の認識の違いや、思い込みが原因である場合も少なくありません。たとえば、よくあるトラブルとして先に挙げた「説明された月額費用と実際の請求額が大きく違う」といったケースでは、施設としては「契約書や重要事項説明書に明記して、説明してある」と認識している場合でも、入居者としては「そのような説明は、聞いていない」といった、すれ違いが原因であったりするのです。
こうしたお互いの理解の食い違いを防ぐためには、施設見学や体験入所、あるいは契約時に、細かい料金やサービス内容まで、しっかりと具体的に確認しておくことが重要です。それに加えて、契約書や重要事項説明書を徹底的に読み、条件や金額、サービス内容などについて、細かい点まで目を通し、疑問な点や不明確な点があれば、一つひとつ事業者に確認し、明確にしておかなければなりません。
まずは契約書や重要事項説明書を確認する
事業者側の明確な法令・契約違反にしても、あるいはお互いの認識の違いが原因だと思われることでも、「契約内容とサービス内容が違う」と思ったときには、その疑問や不信感が客観的なものであるのかを確認しましょう。まずは契約書や重要事項説明書を、改めてしっかりと読み込むことが最も重要です。
その上で、やはり契約内容と違うということが確認できたら、施設の責任者に直接訴えることで、問題が比較的早く解決できることもあります。それでも問題が解決しないのであれば、施設の運営会社の苦情相談窓口に、さらには地方公共団体の窓口等へ相談するという方法もあります。重要事項説明書やパンフレット、ホームページなどに、「苦情窓口の連絡先」が掲載されていますので、確認しておきましょう。
契約内容とサービス内容が違うと感じたら
契約書や重要事項説明書の、関連する項目をていねいに再確認する
↓
施設の責任者に契約と違うと感じている点を直接訴える
↓
それでも改善しない場合は、施設運営会社の苦情相談窓口に、直接苦情を申し入れる
↓
施設運営会社とのやり取りで解決されない場合は、地方公共団体の窓口などに相談する
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、契約・入居をする前の、情報収集や施設見学、体験入居、契約前の面談などで、できるだけ詳しく、細かい点までサービス内容や費用等について確認をし、明確な答えを得ておくことが大切!
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
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