
トラブルはどこに相談すればいい?
施設でのトラブルは、日常生活と同じく、スタッフとの良好な関係から解決できることも。施設内で解決できない場合、外部の相談窓口も活用できます。
まずはスタッフに伝えること
高齢者施設でのトラブルは、施設からサービスを受ける利用者としてだけでなく、暮らしの場を共有する一員としてコミュニティの関係性や、入居者同士が暮らす上でのさまざまな出来事からも生じます。場合によっては、施設に対して権利を主張するだけではなく、より良い生活環境を得るには「運営に参画する」ような視点が必要なケースもあるでしょう。
施設に対して苦情がある、また生活面の改善を提言したいなど、いずれの場合も第一歩は施設への相談です。施設の中で気になる点があれば、些細なことでも日ごろから施設へ問い合わせたり相談したりして、トラブルが大きくなる前の解決を心がけましょう。手順としては、まずスタッフへ問題点や要望を伝え、状況が改善されない場合は施設長や運営会社に訴えます。
第三者への相談もできる
施設・運営会社に相談しても解決されない場合や、どうしても苦情がいいにくい場合は、第三者へ相談する方法があります。気軽に利用できる電話相談もありますし、市区町村の苦情相談窓口もあります。連絡先は、施設の契約書や重要事項説明書に「苦情相談窓口」として明記されている場合もあります。市区町村で解決できなければ、介護保険サービスについては国民健康保険団体連合会(国保連)でも苦情を受け付けています。
場合によっては、再住み替えが最善となることも
苦情の申し立ては本人、もしくは代理人として家族が行えます。市区町村には介護保険施設の指定を取り消す権限があり、国保連は介護サービス事業者に対して調査・指導・助言を行う権限があります。トラブルの内容や改善状況によっては、住み替えの検討が最善策となる可能性があることも心に留めておいてください。
トラブルを相談する際の手順
ステップ1 まずは施設に相談する
現場スタッフ/相談員/ケアマネジャー/施設長
ステップ2 解決しなければ市区町村の窓口へ
施設がある市区町村役場の介護保険課・高齢福祉課など
ステップ3 最終手段は国保連へ申し立て
都道府県「国民健康保険団体連合会」の介護相談窓口
相談先の電話番号
●消費者ホットライン(全国共通・局番なし)
TEL:▶ 188
最寄りの消費生活センター・消費生活相談窓口を案内してもらえる
●国民生活センター 平日バックアップ相談
TEL : 03-3446-1623
最寄りの相談窓口に電話がつながらない場合に相談を受けてくれる
●週末電話相談室
TEL: 東京 03-5614-0189(土・日曜)/大阪 06-6203-7650(日曜のみ)
北海道 011-612-7518(土曜のみ)
全国消費生活相談員協会から助言や情報提供を得られる
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
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