
他の入居者とトラブルがあったときは?
施設は生活の場でもあり、世にいう“ご近所トラブル”のように、人間関係のトラブルがつきものです。大事にならないよう、早めの解決を心がけましょう。
施設では思いもよらないトラブルが起こりがち
施設を選ぶとき、多くは“快適な暮らし”に重点を置き、整った住環境を求めるものです。しかし実際には、見知らぬ人と共同生活を送るため、人間関係を発端としたトラブルが珍しくありません。性別の違いや年齢差はもとより、入居までの生活環境や社会的立場、価値観なども異なります。協調性に乏しかったり、自己中心的な要因もありますが、高齢者は頑固になる傾向から、対人トラブルが起きやすいといわれています。また、認知症など個々の症状がトラブルを引き起こす場合もありますし、近年では恋愛やセクシャルな問題が見過ごせない点も指摘されています。
いずれにしても、トラブルから心理的被害やケガを負わせるなどに発展すると、退去勧告につながる場合もあります。
対人関係のトラブルも、施設で可能な限り対応してくれる
入居者同士のトラブルは“個人の問題”と思うかもしれませんが、当事者はもちろん家族だけでの解決には限界があります。トラブルが周囲にも影響して大事に至れば、施設全体の問題に発展しますから、スタッフも当事者同士が顔を合わせる機会を減らすなどの対処を考えます。そのためトラブルに気づいたら、いち早く施設に相談しましょう。親が施設に入居しているなら、日頃から本人の悩みや不安を聞き出すよう心がけます。その上で十分に様子を把握し、客観的な判断をスタッフに報告するのがポイントです。
家族のコミュニケーションが予防策になることも
施設でのトラブルは、家族と離れて暮らす孤独感が一因ともいわれています。家族の訪問は入居者の癒しとなり、トラブルに巻き込まれていても話を聞いてもらえるだけでストレスの軽減につながる場合もあるでしょう。入居後も施設に任せきりにせず、家族としての役割を果たすため、本人とのコミュニケーションをしっかりと取り、トラブル防止に努めることも大切です。
施設で起こりやすいトラブル
● 陰口・いじめ
● 恋愛のもつれ・セクハラ
● 認知症によるもの
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
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