高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて

情報を収集する

施設の情報収集には、インターネットを活用する、施設に直接資料請求をする、民間事業者が運営する専用の相談窓口を利用するなどの方法があります。

手軽に情報収集ができるインターネット

 高齢者施設に関する情報収集の第一歩として、最も手軽にできるのがインターネットによる検索です。この場合、漠然と「東京、介護付き有料老人ホーム」などというキーワードで検索をしても、該当する膨大な施設情報がヒットするだけで、適切かつ効率的に情報を集めることができません。そこでおすすめなのが、高齢者施設や介護サービスなどに特化した専門のサイトです。

信頼度の高い、国や事業者団体のサイト

 たとえば厚生労働省が運営している、「介護サービス情報公表システム」(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp)では、全国の介護サービス事業者の情報に加え、住まい関連では一般社団法人高齢者住宅協会運営の情報提供システムにリンクして、サービス付き高齢者向け住宅の情報が見られます。また、独立行政法人福祉医療機構が運営するWAMNETからも、介護保険施設や特定施設などの情報が閲覧できます。あるいは、公益社 団法人全国有料老人ホーム協会(http://www.yurokyo.or.jp/)や一般社団法人高齢者住宅協会(https://kosenchin.jp)など、業界団体のホームページでも、全国各地の加盟施設に関する情報を公開しています。

パンフレットや重要事項説明書を手に入れる

 ネットでの情報収集である程度の目星をつけたら、次はそれぞれの施設に直接連絡をとり、パンフレットと「重要事項説明書」などを入手します。これらの資料は、電話やネットから施設に資料請求の申し込みをすると郵送などで送ってくれるほか、最近ではネットから直接ダウンロードできるようにしている施設もみられます。
 また、民間の事業者や業界団体が運営する、高齢者施設の情報提供を目的とした窓口などに出向いて、施設に関する情報を集めるのもひとつの方法です。ただし民間の紹介業には、自社との契約先のみの情報しか提供しないところもあるので注意しましょう。

情報を収集する方法のメリット・デメリット

■国や業界団体のホームページ/介護サービス情報公表システム、全国有料老人ホーム協会、サービス付き高齢者向け住宅協会など

【メリット】

  • 情報の信頼度や公平性が高い

【デメリット】

  • 情報量が少なく、細かい条件などがわからないことも。業界団体では加盟施設の情報しか得られない

■高齢者施設の検索に特化したサイト

【メリット】

  • 情報が豊富。絞り込み機能などで、希望する条件に合った施設を検索できる

【デメリット】

  • 民間事業者による検索サイトなので、公平性や情報の信頼性は劣る

■各施設の資料(パンフレット・重要事項説明書など)

【メリット】

  • 各施設のアピールしたい魅力が明確にわかる。重要事項説明書は、最も重要な情報のひとつ

【デメリット】

  • web でパンフや重要事項説明書を公開していない施設の場合、直接資料請求をする必要がある

■民間事業者が運営する相談窓口

【メリット】

  • 窓口の担当者の顔を見ながら、直接対話して情報を聞くことができる

【デメリット】

  • 紹介契約のある施設のみの情報提供になりがちで、公平性に欠けるケースがある

出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社​