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高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて

見学・体験に行く 2

入居を希望する施設を絞り込んだら、現地見学や体験入居などで、実際に施設のサービスや設備などをチェック。それらを比較検討して入居先を選びましょう。

医療支援や看護に関する体制も重要

 医療支援については、「日常や緊急時の対応」と「在宅レベルの医療行為への対応力」について確認します。たとえば有料老人ホームでは、協力医療機関については、各医療機関への距離、その医療機関の診療科目、訪問診療をしてくれるのかなどを聞いておきます。施設の看護体制については、昼夜それぞれの看護師の配置や人数、夜間対応の内容、どのようなサービスを提供してくれるのか、具体的な内容までチェックしておきましょう。
 リハビリテーションを提供しているのなら、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などの専門職が配置されているか、リハビリのための専用スペースがあるのかなども、重要なチェックポイントです。さらに、服薬管理、通院が必要になった場合の送迎や付き添い、看取りに関するケアの体制や経験値についても確認しましょう。

医療について

チェックするポイント▶「日常や緊急時の対応」「在宅レベルの医療行為への対応力」

●医療機関との連携

1.連携・提携している医療機関の有無
2.連携・提携している医療機関の専門領域
3.各医療機関への距離
4.訪問診療をしてくれるか

●看護の体制 ➡➡ 看護師の配置・人数、夜間の対応

1.看護師の配置状況について
2.どんな医療的ケアに対応できるのか

●その他

1.リハビリテーションに関するサービスが受けられるか
2.服薬管理の有無
3.通院の際の送迎や付き添いがあるか
4.急病やケガの際の緊急対応は整っているか
5.看取りに対応してくれるか

見学時のチェックリスト

●周辺環境

1.最寄り駅や最寄りの高速道路ICなどからのアクセス(徒歩・車、具体的な所要時間)
2.住まいや施設まで、最寄り駅からバスがあるか
3.家族や親しい親戚の家からの距離やアクセス
4.病院や医療機関が近くにあるか 周辺の道路の交通量
5.階段や坂道が多いか
6.近隣に商店やコンビニなどがあるか

●建物

1.内装やインテリアは好みに合うか
2.耐震構造になっているか
3.非常口は適切な位置にあるか
4.館内の移動に障害がないか
5.建物内が明るく清潔か
6.ゲストルームがあるか

●食事

1.食事はどこでとるか
2.食事の内容
3.介護食や病態食への対応
4.食事をどこで作っているか
5.食事にかかる料金
6.食事の時間
7.食事中の見守りなどは十分か

●職員

1.施設長や管理責任者はどんな人物か
2.責任者と職員のコミュニケーションは良いか
3.職員の仕事ぶりや雰囲気はよいか
4.介護や医療に対する方針
5.職員の離職率
6.どのような専門職がどのくらいいるか

●居室

1.居室の広さ
2.日当たりや清潔さ
3.設備がそろっているか
4.家具などの持ち込みができるか
5.介護度が上がると居室を移動する可能性があるか

●共用施設など

1.廊下の幅は十分か(車いすがすれ違えるか)
2.見守りがしやすいフロア構造か
3.浴室の数と種類
4.入浴の回数と時間
5.浴室やトイレの衛生が保たれているか
6.リビングや食堂は十分な広さがあり雰囲気が良いか
7.共用スペースや動線に、適切に手すりなどが配されているか
8.エレベーターは十分な広さか

●生活

1.1 日のスケジュール
2.レクリエ―ションの内容や頻度
3.イベントの内容や頻度
4.娯楽やレクリエーションに関する設備の有無
5.レクリエーションやイベントの費用

●面会と外出

1.面会が可能な時間
2.外出・外泊に関しての制限があるか

●その他

1.施設に入居している人たちの様子
2.有料で提供されるサービスの種類と料金
3.入居者の金銭管理はどのように行われているか
4.飲酒や喫煙への対応

緊急時の対応を確認する

 高齢者施設の大きなメリットは、高齢者に特有の病気やケガなどによる緊急事態に、適切に対応してくれることです。そこで、いざというときの施設側の対応について確認をしておくことが重要です。見学時に確認しておくべき点には以下のようなものが挙げられます。

  • 緊急通報システムの使い方
  • 施設側の初期対応
  • 病院への搬送など、医療機関との連携
  • 救急搬送時の対応(付き添い、入院手続き、家族への連絡など)

夜間の職員体制も要確認

 病気による急な発作などは夜間に起こりがちですから、施設の夜間の職員体制が、緊急事態への対応力を左右します。まずは介護スタッフが常駐している体制が求められ、さらに専門的な判断ができる看護師の配置が重要となります。24時間対応で夜間も看護師が勤務していれば、迅速な対応が望めます。ただし、高額な施設や訪問看護事業所を併設しているところ以外では、看護師は日勤で夜間は不在となるため、夜勤の介護スタッフがマニュアルに基づいて対応するのが一般的です。ただし、看護師対応が夜間ON CALLとなっている場合は、夜中でも看護師にすぐ連絡が取れて、適切な指示を仰ぐことが可能となります。

有料老人ホームの緊急時の対応例

健康状態が悪化したとき、緊急事態が発生したとき

 1.スタッフが看護師に連絡
     ↓
 2.看護師が状況を把握
     ↓
 3.かかりつけ医に報告し、指示を仰ぐ


●「緊急性あり」と判断した場合

 1.救急搬送が必要な場合は119 番に通報し、協力医療機関へ搬送。同時に家族へ連絡する
     ↓
 2.看護師、またはホームスタッフが医療機関に同行
     ↓
 3.家族に経過を報告


●「緊急性なし」と判断した場合は「経過観察」となります。

出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社​