
施設の候補を絞り込む
候補となる施設を絞り込むには、基本の条件で抽出した中から、さらに本人に合いそうな施設を絞り込んでいきます。
まずは3つの要素でピックアップする
インターネットやパンフレットなどで情報を集め、それらをじっくりと精査し、施設見学や体験入所などを経て、住み替え先を決定する。こうした一連の手続きの中、それぞれの段階で住み替え先の候補となる施設を絞り込んでいきます。
最初の段階である、インターネットや民間の相談窓口などで情報を集める際には、住み替え先として考える地域、予算に基づいた大まかな費用、本人の状況に見合う入居条件などで、ざっくりと検討可能な施設を選びます。
あまり早い段階で候補を絞り込みすぎない
次の段階では、整理した情報から、さらにより優先順位の高い要望・条件に合った施設を絞り込み、比較しながら具体的な検討に入ります。この段階でも候補となる施設は複数、少なくとも5~6施設ほどに絞って検討するのがおすすめです。なぜなら、あまりに早い段階で絞り込みすぎてしまうと、さまざまな要素での比較がしにくくなるからです。
施設見学や体験入居は、見学をする本人や同行する家族にとっても時間や労力がかかるものですが、最低でも3施設以上は、実際に見学や体験入居をし、比較するようにしましょう。そして、この段階で納得のいく施設が見つからなければ、3つの要素で整理した情報に戻り、もう一度絞り込みを進めます。複数の施設を比較検討することで、納得して選択でき、確信を持って決断できます。
住み替え先を見極めるために
このように、施設の候補を絞り込み、しっかり内容をチェックした上で最終的な検討先を絞るには、実際に現地に出向いて、その施設の住まいの形とそこでの介護や医療も含めた生活内容を再確認し、そこでどんな生活が送れるか? どんな状態まで住み続けられるのかを見極めることが大切です。その際には、施設の種類やタイプにとらわれすぎないこと、また費用に見合う内容への納得も必要です。
加えて、「どんな事業者が運営しているのか?」という観点から、運営会社の実績、事業母体の体力と信用、入居率や退去率の確認も必要です。また、「どんな理念・姿勢が見えるのか」という点で、見学時の対応から施設運営が入居者本位か、親身な姿勢や誠実な態度が感じられるかなどについても、見極めることが大切です。
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
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