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高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて

情報・資料をチェックする

インターネットの情報やパンフレットなどの資料を手に入れたら、重要な内容は必ず確認をしておきます。

施設の事業主について確認する

 インターネットで高齢者施設の情報をチェックする際、最初に確認しておくべき点は、その施設の事業主はどのような法人かということです。
高齢者施設の事業主となる法人には、営利法人(民間の会社)、社会福祉法人、医療法人、その他の非営利法人(NPO)などがあり、それぞれに特徴があります。
 一般的な認識として、たとえば医療法人が事業主となっている施設であれば、病院や診療所など、医療機関との連携といった部分で安心感があるでしょう。社会福祉法人が事業主であれば、地域での福祉活動の実績を積み重ねてきた法人が多いので、介護や福祉に関する信頼感があります。一方で事業主が営利法人の場合は、医療や介護の世界の慣習に捉われない、多彩なサービス提供が充実している施設が少なくありません。

施設以外の関連事業についてもチェック

 こうした事業主の種類ごとのイメージは、必ずしもすべての法人に当てはまるとは限らないので注意が必要です。医療法人が運営している施設でも、医療機関との連携が十分ではないケースもありますし、非営利法人だから社会貢献に熱心とは限りません。
 そこで事業主となる法人が、その高齢者施設以外にどのような事業を展開しているのかを確認することが大切です。それぞれの物件(高齢者施設)のホームページには、法人の概要や沿革、事業実績などに関するリンクがあることが多いので、それらを丁寧に確認します。「(その施設以外に)高齢者施設に関する事業の実績が、どれくらいあるのか?」「どれくらいの期間(年月)にわたって、事業を継続しているのか?」「医療機関や介護サービスなどとの連携は十分なのか?」といった点を確認することで、法人の信頼感や安心感を見極めます。
 民間施設の場合は、施設を運営する法人だけでなく、その母体企業の信頼性も確認しましょう。たとえ運営する施設が赤字になっても継続を支援できる体力や理念があるかなども、重要なチェックポイントです。br>

施設で働く専門職や職員の質を見極める

 事業主と並んで確認しておきたいのが、その施設で働く職員の質です。専門職である看護師や介護士、リハビリテーションの専門家である理学療法士や作業療療法士など、どのような専門職が、どれくらい施設にいるのかを確認します。たとえば、看護師が夜間も常駐しているのであれば、より手厚い看護サービスを提供しているといえるでしょう。
 さらに、職員のプロフィールや氏名入りのコメントにも着目しましょう。介護の現場は離職率が高く、人の入れ替わりが早いのですが、職員の氏名入りのコメントやプロフィールが掲載されている施設は、職員の定着率が比較的高い施設と考えられます。同様に、入居者のコメントや顔写真が掲載されている場合も、納得・満足して入居している人がいる根拠のひとつとなります。
 そのほか、施設の所在地や最寄り駅、介護保険の特定施設になっているかなど施設の種別、大まかな費用の目安などについても、この段階でチェックしておきましょう。

インターネットの情報で確認すべきこと(まとめ)

1.事業主となる法人の種類と関連事業
2.専門職の有無、職員のプロフィールやコメント
3.施設の所在地や最寄り駅
4.施設の種別(介護保険制度の「特定施設」かなど)
5.大まかな入居費用の目安

ネットやパンフに示された費用は、あくまでも目安

 インターネットの施設に関する情報や、パンフレットなどの資料を見る際、注意しておきたいのが、月々の費用に関する情報です。たとえば高齢者施設の検索サイトなどで、希望する料金で検索ができる場合も、その金額に食費やサービス費などが含まれている場合と、そうでない場合があります。同様にパンフレットなどでも、施設や法人によって、示されている月額費用の内訳の内容が異なることは少なくありません。
 このため、インターネットやパンフレットに示されている費用に関する情報は、あくまでも目安であり、正確な金額については、改めて施設見学の際などにしっかりと確認しなければなりません。さらに、医療費や生活雑費、入居する人に介護が必要な場合は、介護サービス費も毎月必要になってきます。インターネットやパンフレットで示される施設の費用は、どの入居者にも共通で必要な費用のみですから、あくまでも目安であると心しておくことが大切です。

国や業界団体のガイドラインを活用する

 高齢者施設に関する情報を精査する際に、ぜひ参考にしてほしいのが、景表法(不当景品類及び不当表示防止法)や団体のガイドラインです。景表法では、「有料老人ホームに関する不当な表示」について定めており、土地や建物、施設や設備、居室の利用など、一般消費者が有料老人ホームを選択する時点で重要な判断要素となると考えられる事項について、それが明確に記載されていない場合や、表示の内容が明らかにされていないものについて、不当表示として規定しています。同様に、サービス付き高齢者向け住宅では、「国土交通大臣及び厚生労働大臣が定める表示についての方法」が示されています。
 こうしたガイドラインの内容と、施設のホームページやパンフレット、重要事項説明書を照らし合わせ、記載内容に疑念があったり、うそ、大げさ、紛らわしい点があるのなら、入居候補から外していきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅に関する「国土交通大臣及び厚生労働大臣が定める表示についての方法」

表示項目と内容を明瞭に記載しなければならない場合

【土地または建物】

  • 住宅の土地、建物が登録事業者の所有でない場合

【施設設備】

  • 住宅の登録事業者が設置していない施設・設備がある場合
  • 住宅の敷地内に設置されていない施設・設備がある場合
  • 入居者が利用するためには、利用するごとに費用を支払う必要がある施設・設備がある場合
  • 住宅の入居者の利用に供される施設、または設備のうち、特定の用途に供される場合があるもので、かつ、それらの施設・設備がその特定用途専用として設置・使用されていない場合

【構造・仕様】

  • 当該設備の構造または仕様の一部に異なるものがある場合

【居住部分 住戸の変更】

  • 入居者の病院への入院まはた心身の状況の変化以外の理由により居住部分を変更することがあるとき、または入居者の合意の上で居住部分を変更することがある場合
  • 明記事項1・・・変更後の居住部分の床面積が当初入居した居住部分の床面積に比して減少する場合
  • 明記事項2・・・他の居住部分に住み替える場合に、当初入居した部分の利用に関する権利が変更すること、または消滅する場合
  • 明記事項3・・・入居者が変更後の居住部分の利用に関し、追加的な費用を支払う場合
  • 明記事項4・・・当初入居した居住部分の利用費用について、居住部分の変更による居住部分の構造、もしくは設備の変更、または居住部分の減少に応じた調整が行われない場合

【居住部分 終身入居・サービス】

  • 入居者の病院への入院、または心身の状態の変化以外の理由により居住部分を変更することがあるとき、または入居者の合意の上で居住部分を変更することにより、終身にわたる居住または介護サービスの提供を受けることができない場合

【介護サービス 介護サービス提供者】

  • 入居者に提供される介護サービスについて表示する場合において、登録事業者が当該介護サービスを提供するものではない場合

【介護サービス 保険外サービスの内容・費用】

  • 登録事業者が自らまたは委託もしくは提携により提供する介護保険法の規定に基づく保険給付の対象とならない介護サービスについて表示する場合

表示項目と内容を明瞭に記載しなければならない内容

【生活支援サービスを提供する人数】

 明記事項1・・・生活支援サービス提供者の総人数および状況把握、生活相談、入浴、排せつ、食事等の介護、食事の提供、家事援助、健康維持の各サービスごとの内訳の人数
 明記事項2・・・要介護者等以外の入居者に対し、食事の提供、その他の日常生活上必要なサービスを提供する場合においては、要介護者等への生活支援サービス提供者の総人数および明記事項 1 の各サービスごとの内訳の人数
 明記事項3・・・夜間における最少の生活支援サービス提供者の総人数および明記事項 1 の各サービスごとの内訳の人数


【介護資格保有者】

■常勤または非常勤の別ごとの人数

出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社​