
入居・引越の手続き
入居予定日が決まったら、スケジュールを立てて引越・入居への準備を始めます。
引越直前で慌てないよう、十分な時間的余裕を持って準備をしましょう。
住み替えまでの大まかなスケジュールを立てる
住み替え先との契約が済み、入居予定日が確定したら、引越と入居の準備を始めましょう。元気な人など入居を急がない場合は、契約日から入居日まで1カ月程度の時間的余裕をとるようにし、その上で、入居予定日までの大まかな予定表を作っておくと良いでしょう。そこでは、1カ月前、10日前、3日前など、具体的な日程を明記して、その段階までにやっておくべきことをまとめておきます。要介護の人で速やかな入居が必要なケースでは、施設の入居判定で入居可となれば、まず入居日を設定し、契約はその1週間前くらいに交わすのが一般的です。
住み替えに必要な各種の事務手続き
住み替え先への入居の際にやっておくべきことの中でも重要なのが、各種の事務手続きです。たとえば、住民票を移す場合は、住み替え先が今暮らしている住まいと同じ市区町村であれば、引越をした日から14日以内に転居届を役所の窓口に提出しなければなりません。住み替え先が、現在住んでいる市区町村以外の場所にある場合は、まず今住んでいる市区町村の窓口に転出届を出し(転出予定日の14日前から受付)、引越の日から14日以内に、住み替え先の施設がある市区町村の窓口に、転入届を提出します。
医療保険や介護保険に関する手続きも同時に行います。なお、高齢者施設・住宅へ入居する際、住民票を入居先に移すかどうかは任意ですので、自宅の状況などから判断すると良いでしょう。ただし、要支援で住宅型有料老人ホームやサ高住に住み替える際は、地域包括支援センターのエリアを移動する場合に限り、住民票の移動が必要になります。さらに、必要に応じて電気・ガス・水道・電話など各社への移転連絡と手続きなども必要です。
家財の整理や新調も考慮する
住み替えに当たっては、家財をどのように整理するのかも重要なポイントです。特別養護老人ホームや介護医療院といった、介護保険施設への入居の場合、ベッドなど基本的な家具は施設の備え付けのものとなりますが、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの場合、入居に際して家具の準備が必要となります。まずは、自分の住み替え先ではどんな家具の準備が必要かを確認した上で、新調するのか、これまで使っていたものを持ち込むかを検討しましょう。自宅から持ち込むものが決まったら、残る家具や荷物をどうするのか考えます。自宅を処分しない場合はそのまま置いておくことも可能ですが、使わないと判断したものは、早めに処分しましょう。自宅を売却する場合は、仲介業者が処分してくれるケースもあります。
さらに、引越業者の選定と契約、ご近所へのあいさつなどについても、住み替え先への入居日から逆算し、早め早めの手続きをすることがスムーズな入居につながります。
引越・入居までに必要な主な手続きと準備
●届け出関係
住民票を移す場合
1.市区町村への転出届または転居届
2.市区町村への転入届(住み替え先が、転居前の市区町村と異なる場合)
3.医療保険や介護保険などに関する手続き
4.電気、ガス、水道、電話など各社への移転連絡
5.郵便局への転送手続き
●引越関係
1.引越業者との契約
2.それまでの住まいの処置(売却、親族への譲渡、リバースモーゲージ、マイホーム借り上げ制度など)
3.不要な家具の処分、住み替え先で使う家具等の購入
4.ご近所への転居のあいさつ
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
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